水道管が個性的なファサードに変身、パブレストラン「PRAHRAN HOTEL」
建物の横に、丸が積み重ねられた窓。よく見ると、そのひとつひとつにテーブルセットが設置され、客席になっている。実はこれ、レストランの外壁なのだ。
このパブが建つ場所は、オーストラリア南東に位置するビクトリア州。この州はオーストラリアでは一番の人口密度を誇る。
この州の中心となるメルボルンの一角に、PRAHRAN HOTELが建っている。ホテルと名が付いているが、宿泊機能は無く、地元でも人気のパブレストランである。
アールデコ調の外観を持つ母屋の隣には、コンクリートの水道管を積み重ねた近未来的な建物が増築されている。
これを手がけたのは、同じくメルボルンに拠点を置く建築チーム「テクネアーキテクツ」だ。
印象的な丸い水道管は、外装でもあり、内装にもなる。多機能な空間で、客席として使うでなく、日中は建物の内部に日の光を通す窓となり、夜になれば、通りを歩く人にレストランの魅力を伝えるショーケースになるだろう。
店内に入ると、内側からも丸い窓が見え、内部にも水道管を2つに割って設置した客席が見える。
それを支える黒い鉄骨と、その合間に見えるウッドのブラウンや、植物のグリーンがリズムを生み、視覚的にも心地よい空間になっている。
開放的な中庭、賑やかで会話が盛り上がりそうなバーカウンター、半個室のように落ち着いて使えそうな土管席など、様々なシーンで使えるこの店では、クラフトビールやカクテル、種類豊富なワインと共に、魚介のソテーやステーキ、ハンバーグなどの気軽なランチも楽しめるようだ。
放っておいても腹は減る。料理は皿の上だけで提供されるものではない。同じものを食べても、同じ酒を飲んでも、場所によって味が違うのは言うまでもないことだ。
同じものを食べるなら、こんな場所で食べてみたい。この場所は少し賑やかそうだ、お腹が満たされて建物を出る頃には少し元気になっているに違いない。
(文=スズキガク)